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デザインとアートの違いには意味がない

最近刊行されたデザインの本を読んでいたら、デザインとアートの違いについての記述が登場した。もう過去に何度も聞いたことがある話である。

デザインは問題解決で複数人で行う、アートは問題提起で一人で行うとか、デザインは客観、アートは主観という意見である。

本当にそうだろうか。
そもそもデザインとアートって対立概念ではなく、次元が全く違う言葉ではないだろうか。いや直感なのだが。

アートである場所で拾った素材のみで作り、なるべく手グセが出ないような手法で作る人がいる。実際にその作品は単に拾ったものを並べているだけなのだ。出来栄えを見ると、作り手の意図やエゴはなく、パッシブで客観的な印象である。

一方でデザイナーで手書きのロゴを得意にしている人もいる。その人に頼むクライアントは、そのデザイナーの手グセの個性に惚れて発注する。これなんかは主観である。でもデザインと言われてしまう。

アーティストでもコンセプトだけを作り、実際の制作は行わない人がいる。チームで分業で作るアート作品もある。

呪術的な役割を持つアートもある。例えば、雨を降らすためとか、獲物を取るためのアートである。これなんかは問題解決のためのアートである。

ロゴなんかはまさに現代では呪術的な役割を背負っている。

制作過程をオープンにして、制作過程自体を記録して作品にするアートもある。

デザイナーがクライアントや編集者と仕事をするように、アーティストも企画展を主催するギャラリー、購入してくれるコレクターなどの関係がある。

もちろん完全に孤独で作品を作り続け、誰にもその作品を見せないアーティストもいる。

しかし、孤独であってもアートは過去の歴史や文脈からは自由にはなれない。自由に見えながら歴史のどこかの文脈に接続しているのだ。

一人で勝手気ままに自由に作れるのがアートだというのはデザイナーの勘違いに過ぎないし、素朴すぎる。

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