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未経験からWebデザイナー、Webクリエイターを目指す人のためのWordPressとTwitterをつかった就転職活動のすすめ

記事公開日:2011年09月04日最終更新日:2015年10月14日

ビジネス 就転職活動のすすめ方 独学でWeb制作を身につける

仕事を続けながら勉強、制作をしよう

未経験からWebデザイナーになる場合も作品が求められる。未経験だからこそ、しっかりしたクオリティの作品を用意したい。そういう作品をつくるために、勉強をすることになる。

Webデザイナーになる準備期間は個人差や目指すスキルにもよる。Illustrator、Photoshop、HTML、CSS、JavaScript(jQueryも含む)、WordPressでサイトが作れるくらいのスキルを目指すとすると、目安で1年くらいはかかるだろう。もちろん、スキルや期間はあくまで目安である。習得には個人差があり、あくまで自分のペースを守ることが大事である。

具体的な勉強や行動のステップは「まったくのゼロから、独学でWebデザイナーになる方法」を、デザイン自体の勉強は「まったくのゼロから、デザインを独学する方法」を参考にしてほしい。


準備期間は1年くらいの長期戦になる(後述するが作品が1つできた時点で、プロにアドバイスをもらうとよい)。なので、仕事を続けながら独学しながら作品制作をするのが理想である。勉強時間は、毎日90分くらいをコンスタントにとれれば理想である。

短期で成果を求めない

会社を辞めて、3ヶ月くらいの短期決戦で目指す人がいる。上記のスキルセットと作品制作を3ヶ月でやるのは、仮に、朝から晩まで勉強しても相当厳しいのではないだろうか。とくにデザインやプログラミングは、単なるオペレーションスキルと違い、短期間ですぐに身につくものではないからだ。最低で1年はみたほうがよい。結果がでるまでに、数年かかることも珍しくない。

基礎をかためるには、しつこく制作の試行錯誤を繰り返していく必要がある。失敗して失敗して、かろうじて基礎ができてゆく。

受験勉強と違い、明確な範囲やゴールがない。デザインやプログラミングは力がつくまでに時間がかかるため、焦ってしまう方が多い。

Twitterアカウント、独自ドメインをとろう

独立したときに使うかもしれない屋号を決めよう。その名前でTwitterアカウントと独自ドメインを取得しておきたい。まず旗をたてるのだ。独自ドメインは1年で1,300円程度の維持費がかかる。勉強した内容を、毎日つぶやいてゆこう。

ブログで勉強成果をコツコツまとめる

投資をけちらず、有料のレンタルサーバーを借りてほしい(実は、未経験の方で独自ドメインで就職活動をする方は少ない)。WordPressが動くサーバーを選びたい。筆者は「さくらサーバー」のスタンダードプランを10年以上つかっている。

WordPressをインストールして、オリジナルデザインのブログを運営していこう。ブログはアクセスはほとんどないが、気にせず勉強した内容やメモをコツコツ記事にしてゆく。

ポートフォリオサイトをつくろう

作品が1つできたら、次にみんなに見てもらうためのサイトが必要になる。これをポートフォリオサイトという。詳しくは「ポートフォリオサイトをつくろう」のエントリーで詳しく書いたので参考にしてほしい。

作品数は、ブログなどのデザインも含めて5つを目指したい。5つとも、様々なデザインテイストだとポイントが高い。ポートフォリオサイトの構成はシンプルにしたい。プロフィール、作品、連絡先を1ページ構成でみれるようにすると、サイトをみるほうもありがたい。ポートフォリオそのものについての考えは「ポートフォリオの作り方」に書き尽くしたので参考にしてほしい。

作品でもWebサービスのような、デザインからシステム構築まで作るようなものであれば、1〜2つでも十分にアピールが可能だ。

作品をつくったらTwitterでみてもらう

ポートフォリオサイトができたら、プロのWebデザイナーにみてもらおう。Twitterで、プロのWebデザイナーに直接連絡がとれる。ポートフォリオサイトのURLを伝えて、みてもらうとよい。もちろん、面識がないから無視されることもあるだろう。でも、率直な感想をくれる人もいるだろう。Twitterでいきなり連絡をとる場合も、ポートフォリオサイトをもっていると、作品やプロフィールをみてもらえやすい。タイミングと実力しだいでは、そのまま面接にいける可能性もある。

スキルの多様性を育てる

基礎スキル(Illustrator、Photoshop、HTML、CSS、JavaScript(jQueryも含む)、WordPress)に加えて、希少スキルを武器にすると就職活動を有利にすすめやすい。いまだと、スマートフォンサイト(HTML5、CSS3、JavaScript)、スマートフォンアプリが狙い目だろう。

IA(情報アーキテクチャ)は、やっている人が少ない重要分野である。技術書と比べると本が少ない。日本で、IAの専門職種として活躍している人はすくない。また、"スキル"として認知されていないので、これをスキルとしてアピールするにはアウトプットのみせ方の工夫がいるだろう。

このように下手にみんながやっている分野を勉強するより、差別化になり転職機会を増やせるのではないだろうか。この希少スキルを意識的に育ててゆくと、スキルの多様性につながる。長くこの業界でやってゆくにはこの継続的な努力が必要だ。

"Web業界"なんてない

私がWebデザイナーの就職活動をしていたのが、2000年だった。当時と比べて、2011年のいまは転職先の裾野はおおきくひろがった。当時は、ソーシャルサービスなどのWebサービスで食べてゆけるとは想像できなかった。2000年はAmazonが上陸した年で、ネットショップも初めての経験だった。当時は、Web制作会社にはいるのが一般的な選択肢だった。2011年の現状を整理すると、おもな転職先の業界は以下の通りだ。

  • Webサービス、コンテンツ運営会社(ソーシャルメディア、ブログサービス、メディア運営、無料、ニュース、ゲームなど)
  • Web制作会社(WebサイトやWebシステムの受託制作をやっている会社)
  • 広告制作会社
  • ホスティング(レンタルサーバー)、プロバイダー
  • ソフトウェア会社
  • ネットマーケティング会社(SEO会社、コンサルタント)
  • Eコーマス、ネットショップ運営会社(食品、アパレル、旅行、書籍などの各業界)
  • 印刷会社
  • 新聞社、テレビ、出版社などの大手メディア

転職先を思いつくままにあげてみた。他にも、Web制作技術を活かせる業界はあるだろう。よくいわれるWeb業界ってどのあたりを指すのだろう。狭く定義すると、上3つあたりだろうか。いわゆるWeb業界というのは存在しない。たつ位置によって、Webデザイナーの定義や求められるものは違う。

転職先の一番の花形は広告制作会社である。通常のサイト(ホームページ)作成より、キャンペーンサイトが中心になる。主に、大手広告代理店経由で有名ナショナルクライアントの仕事をやる、高いレベルが求められる。憧れる人は多いだろうが、本当にここは一握りのクリエイターしか生き残れない過酷な場所だとおもう。

上記の中で一番条件がよく、会社が成長もして、給料も多くだせるのは、最初にあげたWebサービスやコンテンツ運営会社だろう。ミクシー、グリー、カヤック、サイバーエージェント、クックパッドなどが有名だ。アマゾンのように、ECサイトの皮をかぶったメディア企業もある。IT系の上場会社はだいたいこの分野である。"仕組み"で儲けるからである。

あるEコマースの支援システムをつくっている会社がある。毎月、ASPサービス(Webアプリケーションをサーバーごとレンタルする)で安定した売上をえている。薄く浅く課金するビジネスモデルである。こういう会社も成長意欲が高いところと、あえて少人数でやっているところがある。アメリカの37signals(Ruby on Railsをつくったデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンが所属する会社)もASPサービスで、小さいのに、儲けている有名な会社だ(『小さなチーム、大きな仕事』を参照)。自分の時間が大事な人は、こうした仕組みで儲けて、なおかつ成長意欲がない会社を選ぶとよいだろう。ただ、こういう優良企業は欠員もでなく、人材も紹介中心でゆるかやに補充するため、めったに求人広告にはでてこない。

Web制作会社(Web屋さん)は一般的に大きくならない。大企業をクライアントにもつ大手制作会社(グループ内や下請けに多くの制作会社を抱えている)もあるにはあるが、基本は数人から数十人の規模でコツコツ頑張っている。会社によっては、おもしろい案件を請けていて、やりがいはあるし、技術を磨けるだろう。

でも、仕組みをつくって、"ちゃりーん"と儲けるビジネスではない。請け負うサイト数にも限りがあり、10人の規模であれば、その人数を養うだけの売上しかあげられない。景気にも左右される点もデメリットである。でも、いまだに手で、コツコツ試行錯誤して物作りができる、という魅力がある。やりがい重視の人にはおすすめである。制作者なら、若い時はいちどは憧れる業界だろう。

求人広告をみるまえに、仕事に求める価値観の優先順位を確認する

転職活動というと、いきなり求人広告を漠然とみてしまう人が多いようだ。

求人広告をみるまえに、自分にとってここだけはゆずれないという価値観を確認してほしい。仕事には、時間、お金、やりがい、という3つの要素があるが、筆者のような一般人レベルの場合、すべての要素が満足できる会社にはいるのはまず困難である。まず、転職先への期待値をさげよう。まず、この3つのなかでこれだけは譲れないというのを決めて欲しい。

求人広告を眺めているとあたかも理想の会社があるかのように錯覚する。求人広告は"広告"である。プロのライターが"ぎりぎり嘘でない範囲"で書いている職人芸の世界である。もちろん、相対的に、まずまず自分の経験やスキルが活かせる会社はあるかもしれない。最低限、自分ができることと、会社が求めていることが一致しないといけない。実際は、時間、給料、やりがい、のどれかか、もしくは二つが犠牲になるのは覚悟したい。

筆者の場合は、何社か職場を転々としてわかったのだが、一番譲れないのは"時間"だということが、ようやく35歳くらいのときに、わかった(というより、ようやく断念できた)。この時間だけが確保できれば、あとは概ね犠牲にできる。

いまの職場は業務委託なのだが、残業が少ない(休日出勤で頑張っている人もいない)。ただし、お金、やりがいは不満であり、ときどき、このままでよいだろうかと転職は考える。それでも、自分の大切な価値観が守られているので、我慢しながら続いている。

いままで一番残業が多かった会社は新卒で憧れではいった1社目の会社だった。毎週のように土日出勤で代休なしで働いた。元来趣味や勉強が好きな私には、自分の時間がない状態は続かなかった。結局、会社についてゆけず短期で辞めてしまった。

逆に、一番残業がない会社はSEO会社だった。受託制作はなく、社内で企画したWebサービスのスキンデザインとコーディングだけだった。地味な仕事で全くやりがいはなかった。仕事量は多かったが、受託と違い、どたんばでの修正が少ない。カンプを何枚も作らないのはありがたかった。早い段階でコーディングに進めることができた。デザインの確認も同じフロアーで済んでしまう。スケジュールの前倒しで制作が進むので、残業する必要がなかった。給料は、悪くはないレベルだった。結局、あまりのやりがいのなさに辞めてしまった。そのときは、やっぱり受託のほうがいいとおもった。

当時は、仕事での"自己実現幻想"を捨てきれていなかったのだ。30代前半でまだ若く、この価値観の優先順位をはっきり意識していなかった。年齢もあるだろう。20代や30代前半は給料が安くても、やりがい重視(スキル、経験重視)のほうがいい。私のような40代目前になってくると、やりがいより自分の時間を大切にする選択肢もありだとおもう。

ポータルスキルという強みと弱み

Webデザイナー、Webクリエイターという職業は、労働市場が実質ない日本にしては割と流動性が高い職業である。というより、会社の流動性が高い。だので、人が移らざるを得ない。

WebDesigningの創刊号をもっている人は、巻末のWeb制作会社リストをみるとその流動性の高さがわかるだろう。なんと、40%くらいの制作会社がつぶれている。雑誌でよくのった会社でさえも、つぶれる時はあっけない。

でも、人はしぶとく生き残っている。技術や経験は会社がもっているのではなく、制作者本人にあるからだ。またWeb制作技術のスキルはいろんな業界へ持ち運びができる。Web制作会社で何年か腕を磨いて、よい条件で、一般企業やIT企業に移るというパターンもある。このスキルが持ち運びできるというのは、Web制作技術の強みだろう。逆にいえば、スキルの汎用化がすすみ、陳腐化してしまい、人材の供給が増えて、価値が下落するリスクも抱えている。陳腐化に対抗するため、継続的な勉強がとにかく必要である。なので、Webが好きな人でないと長く続かないのは間違いないだろう。この記事とあわせて、WebデザイナーからUXデザイナーへを説いた「ウェブデザイナーは一生続けられる仕事ですか?を、もう一度、根本から考える」も読んでほしい。


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