DESIGNMAP

Webデザイナーになること、Webデザイナーであり続けること。

記事公開日:2012年07月18日

Webデザイナーになった後 雑記

Webデザイナーになること、Webデザイナーであり続けること、おそらく後者のほうが何十倍も難しい。

高度なスキルをもっていても、買いたたかれる時代

税理士事務所でアルバイトをしていた時期がある。当時、税理士受験をしていた。当時、先生に毎日のようにいわれたことが「税理士資格をとっても食えないよ」だった。どんどん、競争が激しくなり、単価が安くなるよという絶望トークをきかされた。

当時、私は20代。この話を信じていなかった。税理士資格をもっていれば、なんらかの仕事は保証されるとおもっていた。当時の私には"エキスパートが食えなくなる時代"を想像することはできなかった。手に職さえあれば、なんとかなるとおもっていた。

僕は君たちに武器を配りたい』で著者の瀧本哲史さんによれば、高度なスキル(たとえば弁護士でも)や高度な技術をもつ部品でも、スペックが明確に定義された瞬間、コモディティ化して、これ以上利益がでなくなる限界まで、買いたたかれる。

これはWebデザイナーでも同様だ。Webデザイナーは国家資格がいらないし、Web制作会社は参入障壁が低い。2001年あたり、tableレイアウトのコーディング単価が限界まで安くなったのをおもいだす。2012年のいま、安いコーディングの外注先を探すのは容易である。

仕事をつくれなければ、同じとみなされる現実

PHPも含めたオールマイティのスキルをもっている30歳のAさん、デザイン、HTML、CSSスキルの28歳のBさん、Web制作会社の場合、リーダークラスの人材がすでにいる場合、制作者として採用されやすいのはBさんだ。

Web制作会社は人件費が高いひとは、あまり雇えない。雇う側からすれば、求めるスペックに達していれば、安く雇えるほうを採用する。

経営者からみると、どちらの人材もスキルには差異があるものの、仕事をつくれないという点では同じなのだ。

自分のお客さんを開拓して、仕事をつくるWebプロデューサーは、給料が高い。ある制作会社が、リーマンショックのとき、別な会社に吸収された。そのとき、良い条件で移籍できたのは、お客さんを抱えるWebプロデューサーだった。

稼ぐのは大変でしょという批判

私は、このような"Web制作の勉強ブログ"をおっせかいにも運営している。マイナーコンテンツで、きまぐれ更新のほったらかしブログである。

読者の方からいつも決まって批判されるのが、「Webデザイナーにはなれるけど、稼げるようになるのは難しいでしょ」という批判だ。ごもっともで、そんなことは、Webデザイナーだけでなく、あらゆる専門職や技術職でおこっていることだ。どんな職種でも生き延びることは難しい時代に生きている。Webデザイナーだけが特別じゃない。

ブランド戦略がコモディティ化しない鍵

制作会社でも、ブランド戦略がコモディティ化しない鍵になるだろう。鎌倉のカヤックや表参道のthaなど、自社サイト運営や自社商品をベースに、受託案件を請けている制作会社がある。

ブランド戦略をおこなうことで、高い単価、十分なスケジュールで仕事を請けることができる。採用活動も、求人広告をださなくても、よい人材が集まってくる会社になる。thaは過去一度も求人広告をだしたことはないのではないだろうか。中村社長がTwitterでツイートし、ブログで告知するだけで応募が殺到する。いや告知をしなくても、同社への応募のリクエストは絶えないだろう。

詳しくは『小さな会社のブランド戦略』の一読をおすすめしたい。

コーディングの仕事をしながら、独学を続ける

私が、初めての現場にはいったのが、2,000年である。当時のスキルは、Photoshop、Illustrator、HTMLだけだった。どれも、独学の浅いレベルだった。

仕事は、コーディングがメイン。何重にも入れ子になったtableタグと透過gifをつかったレイアウト手法で、コーディングしてゆく。現場のテキストエディタは、Jedit、FTPソフトはFetchだった。

仕事がおわって、当時24時間営業だった六本木の青山ブックセンターに通う。3,000円から4,000円くらいする本は高額の買い物である。本選びは、失敗したくないから慎重だ。すぐには買えず、何日も、立ち読みをおこない、迷いに迷って一冊を決める。昼飯代を削って本代を捻出していた。

デザインの最初のイロハを教えてくれたのは、『A Better Design Webページ リ・デザインブック』だ。まったく恥ずかしい話だが、この本で初めてHelveticaやグリッドシステムをしる。本当にデザインは無知だった。この本の作例のようにデザインできるようになりたい、という目標を与えてもらった。

当時、話題になったのが、ヤコブニールセンの『ウェブ・ユーザビリティ』である。版元はMdN。Web制作の黎明期(1999年前後)に、MdNは海外のWeb制作本の翻訳を数多くだしていた時期がある。筆者が勤めていた会社には当時のMdNの本が揃っていて、この本で勉強させてもらった。どれも4000円くらいはした本なので、自由に読めるのは貴重だった。

勉強ブログを運営している理由

1999年から2001年頃まで、個人サイトを運営していた。仕事では試せないデザイン、仕掛けをつくっていた。そのなかでも、Flash4はもっとも夢中になったソフトである。深夜のテレホーダイ(深夜時間に限り、定額でインターネットがつなぎ放題になる)の時間に、「Hillman Curtis」のサイトをみまくって、ムービーを真似してつくる。個人サイトのバージョンをあげてゆくのがたのしかった。Webデザインに夢中になっていた時期だった。

Dreamweaver、Fireworksはセットで2万円で売られていて、本で独学した。Dreamweaverは使いこなせるまで時間がかかった。Dreamweaverの使い方が、おおきく変わったのは、Dreamweaverの開発、販売元のマクロメディア社が主催するユーザーカンファレンスでの、森川眞行さんのセッションだった。森川さんのDreamweaver、Fireworksの連携テクニックは目から鱗だった。

本では、たまたま杉山敦さんの『ウェブデザイナーのためのDREAMWEAVER3&FIREWORKS3―チュートリアル形式で学ぶウェブサイト構築の方法』という名著にめぐりあった。このあたりのセミナーや本をてがかりにDreamweaverをマスターしていった。

Web制作をもっと学びたい。でも学校にいく時間とお金はなく本を買って独学するしかなかった。私が、こんなおせっかいブログを運営している理由はこのあたりにある。独学のヒントをささやかでも提供できればとおもっている。


↑このページの上に戻る