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独学で訊けないことは悪いことではない、効率悪く作品をつくろう

記事公開日:2014年08月03日

ポートフォリオ 雑記

分からないところがすぐに聞けないというのは、独学のデメリットとして挙げられる。本当にそうだろうか。筆者はむしろ、すぐに正解がえられないことが、独学の一番のメリットではないかと思っている。

失敗につきあおう

Webデザイナーを目指し、ある就転職用の作品をつくっているAさんがいる。コーディングをしていると、当然のごとく表示が崩れる場面に遭遇する。このとき、独学の場合、訊ける人がいない。当然、その失敗と向き合う必要がでてくる。いろいろ調べたりして、試行錯誤をするだろう。その結果、自分で壁を乗り越える場合もあるし、なくなくゼロからコーディングを組み直す場合もあるだろう。何度やり直しても、結局うまくいかず断念することもあるだろう。

失敗の過程で、かろうじてスキルが身に付く

こられの回り道や失敗は、無駄ではない。むしろ、誰かに答えを教わって、効率よく最短距離で走るより得るものが多い。回り道で、偶然、貴重な経験に出会うことがある。独学は、失敗の連続といってよい。行動して、失敗する。そのくり返しの過程で、応用の効く制作スキルが、ようやく自分のものになる。

前もって、なにが正解かが分からないのは、悪いことではない。世の中には、分からないことを、さもわかったかのように解説している専門家が多い。何が正しいかは容易には分からない。筆者のブログでさえも、正解のようにカリキュラム記事を書いているが、疑ったほうがよい。正直にかくと、筆者は15年もWeb制作をやっているが、正解が何かがわからない。

何が正解かは、刻一刻と変化してゆく

正解が得られないと行動ができないと、事前の情報を集めすぎてしまう。失敗や間違いが怖くなり、行動に踏み込めなくなる。いざ行動しようとすると、また状況が変わってしまうので、永遠に情報収集をすることになる。

要領よく作品を作ることは意味がない

就転職用の作品をみていて、残念に思うのは、自分でも分からないまま、どこかで見つけたコードを適当にいれてしまっている人である。要領がいい人である。すぐに動く物、すごい結果を求めているのがわかる。でも重要なのは、要領よく作品を作ることではなく、地道に基礎スキルを身につけることではないだろうか。

例えば、JavaScriptのコードをみると、本人が書いていないので、コードに一貫性がない。時間がないので、JavaScriptの地道な勉強はしたくない。でも、手っ取り早く結果が欲しい。なので、検索して寄せ集めたコードでなんとかしようとする。

検索すれば、サンプルは容易に見つかる。地道にプログラミングの勉強をしても、すぐにすごいサンプルが作れるわけではなく、すぐに自分が思い描いている高機能のアプリケーションがつくれるわけではない。むしろ機能をしぼったシンプルなアプリケーションがようやく作れるというのが現実だろう。

これだけコードを書いて、これしか出来ないのかと思うかもしれない。そう思うことは悪いことではない。プログラミングの先人たちも、同様の思いを抱いて、少ないコードで多くのことができるように工夫をしてきたからだ。

Webデザイナーを目指す人のなかには、jQueryのコードを自分で考えて書くことすら、手間を惜しんでいる人がいる。何かやろうとすると、自分で組まずにjQueryのプラグインを探す。jQueryでさえ、従来のHTMLのDOM操作のコード量を劇的に減らした。余計な本筋とは関係のないコードを書かずに、ロジックに集中できる土台をjQueryはつくってくれた。

デザインの素材でさえ、素材集で済まそうとする人たちがいる。一般の人が、手間を惜しんで素材集を使うのはわかるが、Webデザイナー志望の人が、グラフィックの素材集を使うことは抵抗がある。仕事で、納期や予算が限られている状況であれば理解はできる。時間がかかってもよいので、可能な限り自作したほうがよい。

作品から制作への姿勢がわかる

就転職用の作品というのは、本来その人のスキルを証明するためのものである。なので、借り物を寄せ集めてつくっても意味がない。作品をみるとその人の制作への向き合う姿勢を知ることができる。試行錯誤の末につくられたかどうか、Webが好きな人かがわかる。

Webデザイナーにとって、一番重要な素質は、Web制作が好きかどうかである。そこにつきる。

すぐに動くものが欲しい、すぐにスゴイことを実現したいという発想を捨てよう。下手でも、スゴくなくてもよい。自分で素材を作る、自分でコードを書く、その過程を楽しんで欲しい。その楽しみがなくて、どうしてWebデザイナーを目指すのだろうか。

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