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ポートフォリオは実在するプロジェクトをつくろう

記事公開日:2016年07月28日

ポートフォリオ

未経験の方のポートフォリオの作品をみていて多いパターンが架空の会社やお店を題材に作品をつくるケースである。この場合、構成、コピー、画像を工夫して、本当に実在するかのように細部までリアルに作りこもう。

筆者はかつて営業用に架空のランディングページをつくったことがある。売り込み先の業界にあわせてコピーを含めて作り込んだ。営業の際、架空の作品だと思われなかったことに驚いた。

交渉してサイトをつくらせてもらおう

できれば、おすすめしたいのは、実際の会社、お店、個人に交渉して、ホームページを作らせてもらうことだ。

海外のあるWebスクールでは、カリキュラムの課題で、実在するプロジェクトを顧客探しから実践させている。顧客を探したり、交渉したり、写真やコピーなどの素材を準備したりの制作プロセスを経験させている。

筆者は、2016年からイベント(展示会、トークショーなど)の情報サイトを運営している。最初に全国のギャラリー、アーティストのホームページをみることから始めたが、サイトをもっていないところや、もっていても無料ホームページサービスのテンプレートを使っているところ、無料ブログのみ、SNSのみの運用が多かった。しっかりしたWebサイトをもっているところは少数だった。小規模な企業やショップはまったくホームページを作らず、SNSだけで運用するケースが増えている。

予算が少ない案件ほどチャンスがある

建築家の隈研吾さんが2000年に栃木県那須にある石の美術館をつくったことがある。場所はJR東北線の黒田原駅からバスで20分くらいいったところである。工務店に頼む予算はなくコンクリートは使わないでほしいという要望だった。ただし石と石の職人さんだけは自由という、制約が多いプロジェクトだった。4年をかけて、結果としてユニークな石の使い方が特徴の美術館が誕生した。この美術館はイタリアの建築賞をとり、後に氏の代表作になった。でも当初は「さすがにこの仕事はやれないな」という気分だったという(隈研吾『レクチャー/ダイアローグ』より)。

隈さんは大手設計事務所の出身で1990年に独立する。1991年くらいまでは東京の案件をやっていた。ある案件をきっかに東京での仕事を10年ほどまったくなかった時期がある。この1992年から2002年くらいまでの10年間の時期に地方で作った建築が、愛媛県の亀老山展望台、熱海の水/ガラス、那珂川町馬頭広重美術館、石の美術館などである。どれも代表作であり、氏の自然素材を多用する作風の基礎をつくった。低予算という制約から生まれたものだった。

さきほどギャラリーやアーティストの例をあげたが、Webでも探すといくらでも制作の機会はある。未経験から始めた人は、架空の作品だけなく実際に作らせてもらう機会も探してほしい。Webのよさはプロとアマの境界がないところなのだから。

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