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"私は三人に「デザインと言ったら、一番最初に何を思うか」と聞いてみた。そうしたら三人が三人とも「生活や暮らし」と答えた"

記事公開日:2016年07月15日

名言集

先日イタリアのデザイナー三人と私でシンポジウムを行った。イタリアのデザイナーはそれぞれ年代の異なる人だった、長老のアンドレア・ブランジーを筆頭に四十代、三十代にデザイナーがいた。私は三人に「デザインと言ったら、一番最初に何を思うか」と聞いてみた。そうしたら三人が三人とも「生活や暮らし」と答えた。

日本人に聞いたら何と答えるだろうか。多分「色や形」と答えるだろう。「生活や暮らし」からスタートするデザインと「色や形」からスタートするデザインでは大違いである。
いや、この違いが今や日本人を不幸にしている。人間中心に作られた国と企業中心に作られた国の差が、デザインだけでなくさまざまな面で矛盾を起こしている。「生活や暮らし」がどこかに追いやられ、企業だけが突出する日本の状況はいろいろなところで垣間みられる。

河北秀也著『デザインの場所』(東京藝術大学出版会)からの引用です。

本書はデザイン理論の本ではなく、エッセイ集です。焼酎「いいちこ」のアートワークとともに、いろいろな街の話がでてきます。ハワイ、アイスランド、ポーランドなど。クロアチアでは戦争をしたばかりなのに、生活や暮らしを大事にしている風景が語られます。

いいちこの広告はいわゆる「デザイン」がでてきません。風景の片隅にぽつんと「いいちこ」の瓶が置かれたものです。地下鉄で初めてみたときに衝撃をうけたのを覚えています。

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